![]() | 嗤う伊右衛門 (1997/06) 京極 夏彦 商品詳細を見る |
「お気に入り」に入れた、BLのビーもない小説…^ ^;。
でもね、好きなんですよ~。
「泣く」って言う雰囲気ないんです。むしろ重くて昏くて、ページからも闇が感じられる。
映画にもなってDVD観たんですけど、あんなに画面真っ暗でいいの? って言うぐらい暗かった。
画面も話も。
京極さんの作品の中でもこれは好きで、友達に勧めたら
「う~ん」て言われた。ごめんねって謝りましたが…。
初読みの衝撃って、どうしてこんなに記憶にあるんだろう。
この作品もそうでした。
ほんとにラストの1行、あんな短い1行で涙腺は決壊。まんまと泣いた。
こんな恋の話は、そうないんじゃないでしょうか。
有名な『四谷怪談』をベースにした悲恋の物語です。
一般的には、婿に入った伊右衛門が岩を疎んで殺して、その恨みを買って死ぬ……。
って筋書きだったと思うけど。
この作品は、泉鏡花賞を受賞してます。
また長くなったので続きます。
岩は武士の田宮家の娘として、とても誇りを持っています。
だから顔半分の醜い傷も隠さずに、堂々と街を歩く。笑いたい者は笑え、と。
その岩の揺るがない強さが怖くて、世間は岩を嗤う。
このマンガも読んだけど、正直、しんどいです。
絵になったら分かりやすくて余計に、悪役の非道さがイヤになってしまった。
どうして、こんなことになってしまったのか。
誰が悪かったのか。
誰かのせいで歯車が狂って、こんな結末になってしまったのか。
その“誰か”を犯人にして、罪を負わせれば話は早いし分かりやすいです。
でもこれは違いました。
皆が皆、何らかの罪だったり、間違った判断だったりしてしまう。
それらが連鎖して絡んで、繋がっていった結果のラストなんですね、きっと。
避けようがなかった。でももしかしたら…と、考えても詮無いことを、
私はぐるぐる考えてしまいました。
娘を嫁に出したくなくて、毒薬を盛ってしまった父。
商家の娘を手篭めにして、生ませた子供と娘を部下に囲わせ夜な夜な通い、
娘とよく似た実母の面影を求める上役。
妹をいとしく思う気持ちが強くて、その結果死に追いやってしまった兄。
そして、
妻を愛していたから、彼女の誇りを守ろうと家のため酷い上役に仕える婿。
夫を愛していたから、彼の幸せのためにと家を出た妻。
自分がいなくても伊右衛門が幸せでいればいい。それが岩の幸せでした。
でも現実は、伊右衛門は不幸になっていた。
それを知って激高し放った言葉、「恨めしや、伊右衛門殿」。
愛情が憎しみに変わった瞬間だと思いました。
何が正しくて何が誤りなのか、その線引きってとても難しい。
人の心は単純でないから、なおさらです。
あー、私なんかの支離滅裂な文章で、感想書くなんておこがましいなぁ…。
おこがましいながらも、今の自分の感想は書ききった気がする。
しばらく経って読み返して、違う感想持ったらまた書いてみます。
だから顔半分の醜い傷も隠さずに、堂々と街を歩く。笑いたい者は笑え、と。
その岩の揺るがない強さが怖くて、世間は岩を嗤う。
![]() | 漫画・嗤う伊右衛門 (単行本コミックス―怪BOOKS) (2006/02/01) 京極 夏彦、しかくの 他 商品詳細を見る |
このマンガも読んだけど、正直、しんどいです。
絵になったら分かりやすくて余計に、悪役の非道さがイヤになってしまった。
どうして、こんなことになってしまったのか。
誰が悪かったのか。
誰かのせいで歯車が狂って、こんな結末になってしまったのか。
その“誰か”を犯人にして、罪を負わせれば話は早いし分かりやすいです。
でもこれは違いました。
皆が皆、何らかの罪だったり、間違った判断だったりしてしまう。
それらが連鎖して絡んで、繋がっていった結果のラストなんですね、きっと。
避けようがなかった。でももしかしたら…と、考えても詮無いことを、
私はぐるぐる考えてしまいました。
娘を嫁に出したくなくて、毒薬を盛ってしまった父。
商家の娘を手篭めにして、生ませた子供と娘を部下に囲わせ夜な夜な通い、
娘とよく似た実母の面影を求める上役。
妹をいとしく思う気持ちが強くて、その結果死に追いやってしまった兄。
そして、
妻を愛していたから、彼女の誇りを守ろうと家のため酷い上役に仕える婿。
夫を愛していたから、彼の幸せのためにと家を出た妻。
自分がいなくても伊右衛門が幸せでいればいい。それが岩の幸せでした。
でも現実は、伊右衛門は不幸になっていた。
それを知って激高し放った言葉、「恨めしや、伊右衛門殿」。
愛情が憎しみに変わった瞬間だと思いました。
何が正しくて何が誤りなのか、その線引きってとても難しい。
人の心は単純でないから、なおさらです。
あー、私なんかの支離滅裂な文章で、感想書くなんておこがましいなぁ…。
おこがましいながらも、今の自分の感想は書ききった気がする。
しばらく経って読み返して、違う感想持ったらまた書いてみます。
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