いやいや、面白かったー。
モチメ子さん初めてなのですが、笑っちゃうし、主役の二人は可愛いし
読んでる途中も読後もほんわかしました。
攻がどう見ても30代に見えないし、受を好きになりすぎて段々可愛くなりすぎて、
それは気になったけど、ストーリーにはまったら気にならなくなったな~。
絵の好みがあるかもしれませんが、私はそれよりも話に引き込まれてしまいました。
上京したけど失敗して実家に戻った受は、給食センターでパートしている。
身内はいなくて、優しい性格故か自分を卑下しがちだけど、真面目ないい子です。
お化け屋敷と噂の空き家に引越ししてきた攻と知り合って、親しくなっていきます。
その攻は以前、マフィア組織のトップにいて実は刑務所帰り。
受は東京でその組織の末端にいたことがあった。
文字にすると、え??って思うけど、絵柄のせいかほんわかしてます。
それに攻は厳しいこと言うけど、理にかなってるし面倒見の良い人で。
先に攻の方が恋するのだけど、受がだんだん自分の中で大きくなっていく攻を意識して、
好きになっていくのがリアルに感じました。
受が思い切って好きです、と攻に告白します。その時点で本当は両思いなんだけど、
そんなこと微塵も知らない受は、好きになってごめんなさい、と泣きながら言う。
攻は自分の“好き”は汚くて、受が言う“好き”は綺麗だと言うと、津久井という部下が
「俺から見たら一緒だと思いますけど」と言うんです。
これ、奥が深いなーって思いました。
異性だろうが同性だろうが、“好き”って感情に差はないのかも。
上手く言えないな…。
相手にも好きになってほしくて、その全てが欲しいって気持ちは
綺麗でもあるし汚くもある表裏一体ってことかな…。
やっぱり上手くいえないー。
そんな落ち込んだ受を遠くから見つめ、ボロボロ泣く攻が印象的でした。
登場人物みんなが、優しい人です。そんで真面目で純粋。
舎弟の中野の存在も良いし、部下の津久井も渋くて良かったです。
同時収録は中野が主役なんですが。一見怖いけど、よく働いてまっすぐな性格
な彼は皆に頼られています。そんな中野に片思いする上司の心情が、切なかった…。
でもいくつになったって、胸がいっぱいで涙ぐむほど誰かを好きになれる、って
素敵なことだと思うよー…。