Lucky charms & apple jacks (IKKI COMICS) (2003/05/30) 多田 由美 商品詳細を見る |
相当ひっさしぶりな多田由美さん作品。
初めて読んだのは月刊『ASUKA』で、普通に男女の話でした。高校生だった私にはとても大人な雰囲気の作品に思えて、真剣に読んでなかったです。こんなお子さまな私でしたが、何かのお話がすごく良くて(ただ感動したことしか覚えてない…)、いつかちゃんと読みたいと思って早や幾年、やっとこれを読みました。
こちらの本は、メインの二人(男)が付き合っています。でもエロい描写はないです。
アメリカかな? とある街に住むアビーとギャズ。アビーはドアマンの仕事をし、ギャズはスーパーで働きながらバンドをやっている。バンド活動は惰性のようで上手くはないけど、仲間とツアーに出かけるのは楽しいみたい。
二人の付き合いを、ギャズの家族は認めていません。ギャズ自身が否定されてる。唯一姉だけが中立的な立場だけど、完全な味方はいません。
アビーの方は妹と祖母との暮らしで、アビーが生計を立てているようです。
淡々としている話ってマンガでも小説でも好きなんですが、このお話も淡々と日常を描いています。二人の関係が理解されない様子がリアルでした。
淡々としているからか泣いてるギャズさえも、あまりしんみり感じなかった。そういうのに慣れてるというか、当たり前すぎるっていうのかな。
アビーの祖母が亡くなって、家を売り街を出ていくのも、「なるようにしかならない」って。ほんとにその通りなんだよなぁ…。
ガチャガチャのおもちゃの指輪にお金をかけて、アビーはやっと出します。そしてギャズに渡した。
その時の驚いた、そして困ったような嬉しいような、ギャズの表情が印象に残りました。
一話でそんな顔してたけど、ラストでは笑ってくれたから救いがあったと思う。というか、私がそう思いたいのかもしれない。読後に少し切なくなっていました。
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