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「ニタイ ピリカ」はBL漫画・小説(たまに非BL)の感想を好きなように書いたブログです。ネタバレしてますのでご注意ください…
 

 

 
ヘルマフロディテの体温ヘルマフロディテの体温
(2008/04/03)
小島 てるみ

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現在2冊の本を出版されてますが、もっと読みたい作家さん。

初めてこの本を読んだ時、ショックというか驚きとか呆然とか色々過ぎって、
結局は「なんてすごい小説なんだろう」って、ありきたりの言葉ですが
そんな陳腐な読後感しか浮かびませんでした。

イタリアの行ったことないナポリの町並みが浮かんできて、まるで翻訳小説のようです。
でも日本人の作家さんなんですよね、それも驚き。
あと結構なエロさなんです。友人に勧めたら「ちょっと引いた」て言われちった。
でもこの物語は“性”がテーマだから、なくてはならない描写だし、どこか現実離れしていて
私は「綺麗」だと思いました。

ヘルマフロディテ=真性半陰陽という言葉。初めて知りました。
日本ではインターセックスとも言うそうです。
私は今まで生きてきて自分の性に、何も違和感を持ってないので、
男でもなく女でもない自分の不安定さ、みたいなのものは想像するしかないです。
これに出てくる大学教授がヘルマフロディテなんですが、すごくつらい経験をして本当につらくて、
でもそれを乗り越えた強さや美しさを感じます。

山本タカトさんの装画がとても美しい。水原さんの『唐梅のつばら』の装画も描かれてます。
私はまだ未読…。

長くなってしまいましたので、以下続きます…。 

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「ある日、母が男になった。それが始まりだった。
 以来、シルビオの世界は少しずつゆがみはじめた。
 人に言えない悪癖にとりつかれ、
 他者と交わることができなくなったシルビオ。
 そんなとき、背徳と情熱の町ナポリで
 男でもない女でもない、謎めいた大学教授に出会う。
 教授の出す奇妙な課題は、
 さらに尋常ならざる世界へとシルビオをいざなう…」

私の分かりにくいのでなく、本にある「あらすじ」を引用しました。

第一~第五楽章に分かれていて、シルビオが課題として創作した物語だったり
教授自身の物語だったりで、それは読み終わってみないと分からない。
だからなのかな、のめり込んで読んでしまった。

特に悲しかったのが第二楽章、<醜聞の女>の物語。
それは黒い木彫りの胸像で、若く美しい女の無残な死体。腐り、虫が這う死体の胸像なのに美しい。
これすごく矛盾してますよね。醜いのに美しい、って。
昔読んだ長野さんの『夏至南風』でも、似たような描写があって思い出した。
それは愛した人の死体だったから、美しいと思ってキスしたんだったかなー…。
ちと、うろ覚えです。今度、読み返してみよう。

そんで、その胸像のモデルを探す話です。
カストラートという特殊な職業がモチーフになっていて。
それを目指し手術をして、練習に励む二人の孤児の少年が出てきます。
一人は成功して名声を得ますが、もう一人は辞めて娼婦へと身を落とす。
双子のようにいつも一緒にいた二人だったのに、ここで道が分かれてしまう。

誰よりも自分よりも愛してるのに、もう一緒にいられない。
これ以上自分を裏切れない、とカストラートをやめて姿を消した少年。
それからの経緯が、すごく切なかった。
歌をやめて、男でもあり女でもある娼婦になって、やがて死んでしまった。
罪深い存在と言われる娼婦になった愛する弟。
その凄絶で美しい死体を彫った胸像を、やっと探し出した弟を抱き締める場面は、
読んでて胸がいっぱいになりました。

<醜聞の女>でもあり、『祝福された女の最期』でもある黒い胸像。
黒ははじまりの色、だと書いてあります。
暗闇から光りが生まれるんだそうです。
ここでも矛盾があるけれど、でもさ、生きていること自体矛盾ばかりだよね…。

あー、長くなった~。第五楽章の感想はまたにしよう。
第五はヘルマフロディテの教授の物語で、これも切ない話なんですよー。




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立夏

Author:立夏
BL大好きで感想・思ったことなどを、好きなように書いてます。
好きな本ばかりなので、独りよがりなってる自覚はあります。

ほとんどネタバレしてますので、ご注意下さい…。

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