FC2ブログ

 

「ニタイ ピリカ」はBL漫画・小説(たまに非BL)の感想を好きなように書いたブログです。ネタバレしてますのでご注意ください…
 

 

 
かごめかごめ (書籍扱いコミックス)かごめかごめ (書籍扱いコミックス)
(2014/09/08)
池辺 葵

商品詳細を見る


ご覧の通りの【非BL】です。

修道院が舞台で、修道女のマヌエラが一応メインです。一応なんて書いたのは、やがて時間が流れて、幼かった見習いの少女が立派な修道女になっているのを見たら、個人の物語ではなくて、修道院の歴史のほんの一部分を垣間見たような感じがしたから。たまたまマヌエラだった、みたいな。

今までがそうだったように、繰り返しずっと続いていく。院に引き取られた少女が見習いとして働き祈りを捧げ、修道女になったら見習い達の世話をしながら、院の為と主の為に働いては祈り、年を取っていく。

マヌエラがクローズアップされたけど、他にもいるシスターやマザー、ジュニアと呼ばれる見習いの少女達それぞれに人生があって、誰もが主役なんだと思いました。大きな時間の流れで見ると、名もない存在かもしれないけど。
相変わらずうまく言い表せないね……、ほんと毎回すみません。


ネタバレしてますのでたたみました。
ちょっと作品に入り過ぎて、気持ち悪い感想かもしれません。

 

more

このサイズと厚さならば700円代ぐらいかな? でもこの本は1200円+税です。その理由はフルカラーだから(だと思う…)。
紙質と相まって、けばけばしくない色褪せた雰囲気が、昔の物語の装画のよう。
池辺さんの絵柄ってあっさりして、すごく描きこんでる風でもない。好みが別れそうです。そして池辺さん作品に言えるけど、台詞が少ない。表情の少ないキャラ、少ない台詞でも、すごく伝わってくるんですよね。コマ割りも私は独特だと思っていて、これ読んで感じたけど映像向きなのかもしれない。


特に6話『祭祀』が印象的。7年に一度街に出て民に祝福を授ける祭祀があります。7年前迷子になったマヌエラを助けてくれた青年・コーリャ。院の娘と口を利くと災いがくるという風聞に「自分にふりかかる災いなら自分でふりはらう」ときっぱり言います。これが二人の出会い。
マヌエラはよそ見をして探します。すると前からやってきた男が通りすがりにマヌエラの手を握るんです。そしてふっと離れる。たった3ページ、彼を見つけてそして手を握られたマヌエラの2つの表情が印象的です。それだけが際立つコマ割りになっていて上手いなぁと思った。あー、とにかくもう好きなんです、私。気持ち悪いね…笑


マヌエラと同室のアミラ。赤子だったアミラは、マヌエラに拾われました。それはマヌエラがコーリャと逃げる為に、院を脱走した強い雨の降る夜半のこと。マヌエラは結局赤子を拾って院に戻る。コーリャの元には行きませんでした。行けなかったという方が正しいか。


信仰心篤くマザーやジュニア達からの信頼のあるマヌエラ。優等生のマヌエラは、清い心と体を主に捧げると祈りながら、コーリャを想い続けている。一度は失敗した駆け落ちだけど、何年後か分かりませんが再びコーリャの元に走りました。

8話『喪失』では、アミラのぽっかりと開いた心が背中からしみじみ伝わってきて。しつこいけどほんとに描き方が上手だよ…。アミラが「捨てられたことはこれで二度目です」と可哀想なほど呆然と言い、ヴィーは後ろ姿だけどそれだけでも彼女のショックも伝わってきます。ショックだけど静かに受け入れている。二人共涙を見せないのに、その悲しさが喪失感が伝わってきます。


そういうことがあっても、アミラやヴィーの喪失感は時間と共に薄まってるはずだと思うんですよね。そりゃあショックですけど、繰り返しの日常に埋もれていってしまう。というか、二人は敢えてそうしたのかもしれない。
数年後、礼拝堂で祈りを捧げているアミラの姿はマヌエラのようだし、マザーになったヴィーの個室はずいぶん広いので院で一番偉くなったのかと思いました。二人共、院に居場所があり、頼られる存在になっている。
マヌエラも小さな家の窓辺で一心に祈っていました。コーリャが帰ったのにも気付かないほど。


はっきり描かれてませんが、アミラの母親らしき人物と会います。違うかもしれないけど、マヌエラはそう思ったんだと思う。置いてきてしまったアミラへの罪悪感のせいかもしれない。
母親は乳飲み子だったアミラを捨てた。じゃあ、マヌエラはどうなんだろう…。マヌエラを姉のように慕うアミラに何も言わないで。でもアミラもヴィーも責めてません。

また前に戻ってしまうんですが、彼女達には祈ること、信仰があったからだと思いました。それは目の前にあることを、一途に真摯にやり続けることなのかな、って。環境や立場とかで人それぞれなんだろうけど。


タイトルの『かごめかごめ』。院の窓から外を眺めてる場面がよくあります。窓は格子で覆われてます。院は外界と閉ざされた場所で、そこで主に献身する彼女達は“籠の鳥”ってことなんでしょうか。でもそれが不幸なのか幸福なのかは私は分かりません。出ていったマヌエラが幸福で、残ったアミラが不幸とは思えない。どっちも幸福だと思いたいです。

どんな本も読んだ人それぞれの感想があるけど、この本は特にそう思わせられます。つらつら書いてきた私の感じたことが、他の人も同じとは限らない。余白があり過ぎて、そこに読み手側の感じたことが簡単に填めることが出来るというか…。
池辺さん作品の中でも一番難しく、読み手側に委ねられている気もしました。


長々となった割りに全くまとまっていず、オチも何もないと言う(汗)。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございました!


関連記事
スポンサーサイト



テーマ * 感想 ジャンル * アニメ・コミック

 

 

Comment

 

y 様

9/16 拍手コメ下さったy 様へ

こちらにもコメをありがとう~!
そしてこの、気持ち悪いほど入り込んでる記事を読んでくれてありがとう…(涙)
よかったらこの本貸すから言ってねー! そんで、ぐるぐるしたり、ぼんやりしてほしいな(笑)
この本は『どぶがわ』よりも台詞少ない気がして、すんごく余白ある話だと思う。
ほんとだね、わかりやすくて「あー、面白かった」っていう話も好きだけど、こういう真逆なのも好きなんだよねぇ。
コメントありがとうございました!

NAME:立夏 | 2014.09.17(水) 18:45 | URL | [Edit]

 

Secret?


 

 

 

 

*Template By-MoMo.ka* Copyright © 2019 nitay pirka , all rights reserved.

立夏

Author:立夏
BL大好きで感想・思ったことなどを、好きなように書いてます。
好きな本ばかりなので、独りよがりなってる自覚はあります。

ほとんどネタバレしてますので、ご注意下さい…。

記事に拍手や拍手コメを、いつもありがとうございます。
拍手コメのお返事は、該当の記事に書かせていただいています。お時間ある時に見ていただけたら嬉しいです☆

10 | 2019/11 | 12
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

マンガ (414)
会川フゥ (3)
青井秋 (2)
朝田ねむい (2)
阿部あかね (2)
雨隠ギド (5)
ARUKU (3)
池玲文 (4)
イシノアヤ (3)
市川けい (7)
糸井のぞ (3)
伊東七つ生 (3)
井上佐藤 (3)
今市子 (6)
梅松町江 (3)
内田カヲル (3)
えすとえむ (10)
おげれつたなか (2)
カシオ (2)
梶ヶ谷ミチル (2)
かつらぎ (2)
雁須磨子 (2)
神楽坂はん子 (3)
かわかみじゅんこ (2)
木下けい子 (4)
草間さかえ (6)
九条AOI (2)
黒乃奈々絵 (2)
腰乃 (1)
恋煩シビト (1)
寿たらこ (2)
桜城やや (2)
里つばめ (2)
清水玲子 (2)
蛇龍どくろ (2)
SHOOWA (2)
鈴木ツタ (2)
たうみまゆ (3)
宝井理人 (4)
田倉トヲル (2)
千葉リョウコ (2)
トウテムポール (2)
トジツキハジメ (13)
永井三郎 (3)
中村明日美子 (5)
七海 (3)
ナナメグリ (2)
西炯子 (2)
西田東 (2)
羽生山へび子 (4)
のばらあいこ (2)
ハヤカワノジコ (2)
はらだ (2)
日高ショーコ (3)
秀良子 (6)
ひなこ (2)
歩田川和果 (2)
真柄うしろ (3)
斑目ヒロ (5)
松尾マアタ (2)
三崎汐 (3)
三島一彦 (4)
三田織 (2)
ミナヅキアキラ (2)
モチメ子 (2)
桃山なおこ (2)
ヤマシタトモコ (7)
山田ユギ (1)
山中ヒコ (2)
山本小鉄子 (3)
ヤマヲミ (4)
ゆくえ萌葱 (2)
吉池マスコ (6)
吉田ゆうこ (3)
よしながふみ (6)
ヨネダコウ (1)
ルネッサンス吉田 (1)
RENA (1)
~あ行~ (22)
~か行~ (21)
~さ行~ (15)
~た行~ (15)
~な行~ (10)
~は行~ (8)
~ま行~ (16)
~や行~ (9)
~わ行~ (2)
まとめて。【コミック】 (55)
小説 (83)
英田サキ (1)
いおかいつき (1)
一穂ミチ (2)
いつき朔夜 (2)
岩本薫 (1)
海野幸 (3)
榎田尤利 (2)
江森 備 (1)
尾上与一 (1)
華藤えれな (3)
可南さらさ (3)
かわい有美子 (7)
綺月陣 (3)
久我有加 (2)
木原音瀬 (5)
小林典雅 (4)
西条公威 (3)
早乙女彩乃 (1)
佐田三季 (1)
沙野風結子 (1)
愁堂れな (1)
ジョシュ・ラニヨン (1)
砂原糖子 (2)
千地イチ (2)
谷崎泉 (3)
月村奎 (1)
中原一也 (2)
凪良ゆう (1)
夏目怜央 (1)
西江彩夏 (1)
鳩村衣杏 (2)
ひのもとうみ (2)
松田美優 (1)
松雪奈々 (5)
水原とほる (2)
夜光花 (6)
まとめて。【小説】 (3)
雑誌 (20)
アンソロ (24)
BLCD (3)
私の好きな本のこと (41)
あさのあつこ (2)
池辺葵 (8)
遠藤淑子 (1)
小島てるみ (1)
川上弘美 (1)
京極夏彦 (1)
五條瑛 (2)
杉本苑子 (1)
鈴木志保 (2)
高村薫 (2)
塚本邦雄 (4)
長野まゆみ (3)
橋本紡 (1)
鳩山郁子 (3)
福永武彦 (1)
吉野朔実 (1)
純文学 (1)
詩 (2)
マンガ (3)
【〇〇もの、いろいろ】 (8)
雑記 (138)
拍手のお返事 (24)
購入予定メモ (19)
未分類 (8)
自作BL (31)
~自作BL はじめに~ (1)
投稿にまつわる独り言 (25)
『グリーンスリーヴズ』 (5)

このブログをリンクに追加する

この人とブロともになる