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「ニタイ ピリカ」はBL漫画・小説(たまに非BL)の感想を好きなように書いたブログです。ネタバレしてますのでご注意ください…
 

 

 
さきっちょだけでも (バンブーコミックス 麗人セレクション)さきっちょだけでも (バンブーコミックス 麗人セレクション)
(2010/10/27)
トジツキ ハジメ

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いいタイトルですね~(笑)。ちょっと吹き出してしまいそうで、でも切実なカンジも…。
6編の短編集。なんで自分は短編集が好きなんだろう。
色んな話が読めて、お得感があるからでしょうか。多分、そうだな…。
この本も明るいのから、考えてしまうのまでタイプの幅が広くてお得感大です。
あー、トジツキさんの同人誌も読んでみたい…。

全然話変わるけど、日曜日によく行く中古店に行って、いつものようにBLの棚にまっしぐら。
大抵誰もいないのだけど、先客が…。中学か高校一年位の男子でした。
真剣な私の後ろで、結構ジロジロ見て何かを探しているようでした。
「何かお探しですか??」なーんて、言えるはずもなく(笑)。(←当然だ)

この本にとても好きな話があって。自分の思いいれが強すぎて中々書けずにいました。
『卒業生』とか『どうしても触れたくない』とか、『窮鼠はチーズの夢を見る』とか
大好きすぎて中々感想書けずにいます。
いつかは書きたいけど、いつになるかな…。

表題作は、芸大に7年もいる大学生がラーメン店店員に一目ぼれして、
枯渇していた作品のインスピレーションを得て、作品を作る話です。
その作品は店員をモデルにした体中総刺青の、何ともエロイ彫像で。
それを作るまでの夢ん中がまぁ、エロくて良いです!(笑)。
芸大生の願望が切なくて、でも面白かったー。

『お悔やみ申し上げます』
人見知りの激しすぎるラッパーの話。
唯一セッションできたDJは急死。そのDJが自分の代わりにと
紹介してくれた美形のDJは、人に尽くすのが大好き。
尽くされすぎていつにまにか、自分の生活に侵食されていくのが面白かった。
タイトルはその流されるラッパーへの、せめてもの慰めの言葉…?

『ウオータープルーフ』
これも面白かったなー。軽い雰囲気だけど、すんごい恋の話。
ものすごく愛されて甘やかされている受は、自分も好きだけど
ベロベロに酔わないと言えない。
でも酔いが覚めると覚えてない…。これじゃ攻も立つ瀬ないよね~。
幼馴染で十数年の仲で職場も同じ、って設定好きですー。もう結婚しちゃえ!

『les sciences et les fantaisie 』
3年前に別れた攻と偶然研究所で出会った受。
その後受は、研究所に異動になって攻のもとで働く。お互い未練はあるみたいなのに、
別れた理由が思い出せない。
ロマンチストなのに超現実的な攻は、渋くて好みでした(笑)。無精ひげ似合ってた。
理系の話もBLだと分かりやすく思えるのは何故だろう…。


残りの二編は、えらい長くなったので、以下に続きます。
字ばっかですが、読んでいただけると嬉しいです。 

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『アンダーグラウンド』
トジツキさんのシリアス部門(←勝手に命名してます…)になる作品。
好きだな~、こういう話。ラストで感じるこのやるせなさ。
伊奈も塚越も幸せになるんだろうか、って漫画のキャラなのに心配してしまった私…。
もう終ってるね。はい、自覚あります(笑)。

カメラマンの塚越は、十年間ずっと同じカメラマンの伊奈の才能を尊敬し、密かに想い続けている。
伊奈は賞も取りながらも、戦場カメラマンになって海外へ。
その伊奈が急にカメラを辞めたと帰国して、塚越の部屋に居候することになる。
「伊奈と同じ世界を見たかった」と、同じカメラを使う塚越の伊奈への思い。
塚越が例えて言う、「マリア様とセックスできると思う?」という言葉の通り、伊奈を信奉している。
手も足も出せないほど好きだから、せめて同じカメラを使いたい。
せめて伊奈と同じ世界を見ていたい。そういう恋もあるんだ、と思いました。

でも伊奈は自傷行為として、適当な男と寝ている。そんなことは嫌で仕方ないけれど、
自分を痛めつけるためにこの方法を選んだ。
塚越は伊奈が好きだからこそ、傷つけたくない。
でも伊奈は罰せられることを望んでいる。
それが塚越からでも、適当な男からでも誰でもいいほど。

カメラや写真の世界は、私はよく分かりません。
でも、そういう付属を取っ払ったら、好きで好きすぎて、見守るしか出来ない男の恋の話でした。
キスもハグすらもない、痛々しい恋の話。

「俺の見ているもの全部おまえに見せてやるよ」と言葉を残して、
伊奈は再び紛争地域に戻ります。
さっき「見守るしか出来ない男」って書いたけど、それでも塚越の存在や想いは
伊奈に何かを残したと思います。だから最後に塚越の写真を残した。
それが塚越の告白への、伊奈なりの返事なのかもしれない。

まちがいなく伊奈の世界に塚越はいたのに、塚越の世界に伊奈はいなくなってしまった。
それでも彼は、伊奈を想い続けるんだと思いました。


そして、『彼女は死んだ』。
シリアス部門の中、これはまだ救いがありました。でも、悲しい話。
一ヶ月だけ一緒に住んでいた、ちょっとエキセントリックな女の子。
彼女が死んで一週間後、千秋の元へ半分血の繋がった弟が訪ねてくる。
会ったこともない姉は自殺か事故か分からない。
彼女がどう生きたのか知りたいと言うけれど、千秋は自分はゲイだから彼女は友達だったと告げる。
彼女のこと分かる限りを知りたい、と同じように部屋に住ませてほしいと頼む弟。

もういない“彼女”の存在が、とても大きいです。
彼女が好きだった千秋は、女を好きになれない人。「誰とでも寝る」と形容される彼女は、
千秋に振り向いてもらえないせいだったのかな…。
だからって死んだ彼女のことで、千秋は責められないんだけど。
でも千秋は自問する。自分は正等だったのか。

姉の生活をなぞる弟は、姉の死の理由と自分が千秋に、惹かれていることも気付く。
そして怖がっていることも。独りぼっちで死んだ姉のようになりたくない、と。
彼女は拒否したけれど、千秋は弟は受け入れます。
千秋の部屋に入ることは、もう独りではないことです。二人で生きていくこと。

日々の忙しない暮らしの中、亡くなった人のことばかり思ってはいられなくなる。
残酷だけど、私自身もそうです。千秋の最後の言葉が、一層悲しかったです。
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立夏

Author:立夏
BL大好きで感想・思ったことなどを、好きなように書いてます。
好きな本ばかりなので、独りよがりなってる自覚はあります。

ほとんどネタバレしてますので、ご注意下さい…。

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拍手コメのお返事は、該当の記事に書かせていただいています。お時間ある時に見ていただけたら嬉しいです☆

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